新界北西部の元朗で起きた、親中派徒党による市民への集団無差別襲撃事件が発生してから1年が過ぎようとしていた。近頃、ネットでは、襲撃を受けた市民たちが元朗警察署に押し寄せ、助けを求めたにもかかわらず駐在する警察隊に文字通りに「門前払い」された様子を記録された映像が次々と出回った。

一方、『苹果日報』は香港警察内部の「事件管理・調査システム(CMIS)」の通信記録を入手した。それによると、事件当時、元朗警察区の指揮官が警察区に配属する警察官全員に「元朗警察署に警戒せよ。999番(緊急通報)を受理するな」との指示を下したことがわかった。

『苹果日報』はその内容について警察当局に質問した。それに対し、警察当局は17日、指示そのものを否定し、報道が元にした匿名の告発は香港警察を中傷し、憎悪を煽るために捏造されたものとして遺憾の意を示したとしたが、その後、記者はCMISの記録を引用し、再び質問すると、警察当局は19日、「当時(助けを求める)民衆が騒ぎ立て、元朗と天水囲両警察署を包囲したため、巡回中の警察官に警察署に戻り待機し、署の守備に準備せよと指示した」と記録の内容を認めた。

最近ネットで出回った事件当時元朗警察署の構内で撮影された映像を見るに、数多くの市民は警察署の通報窓口に押し寄せ、襲撃してきた白服の徒党(親中派の黒社会)を追い払うよう、署内の警察官に出動要請したが、それに対し警察官は市民に「落ち着いて」、「一人ずつ話す」よう求めたため、民衆は不満を顕にし、一時騒然とした。

「私たちの親戚はあちら(襲撃が起きた香港鉄路西鉄線元朗駅と思われる)にいるんだ。心配でしょうがない。」「出動しなくていいんだよ。外には同僚の警官が4、50人回っている。」「俺はつい先あっちから来たんだ。あっちには警官なぞ一人もおらん。」

そのように押し問答がしばらく続いた。警察側は民衆に対し、一人ずつ通報するよう求めたが、一人の警官が突然窓口の裏側から走り出し、市民側に撮影するなと命令したため、署内で再び緊張が高まった。当時署内では警察官が10数人いたが、ただ側で立ち止まりその様子を楽しそうに見ていた。映像の後半部分では、警察官が助けを求めた市民を警察署から追い出した後、シャッターを下ろした様子が映された。

去年7月21日夜、香港鉄路西鉄線元朗駅構内外で白服の徒党(親中派黒社会のメンバー)は集まり、棍棒などで駅構内や列車内の市民や記者、そして帰途につく抗議デモの参加者を襲った。事件で負傷した市民の数は妊婦1人を含め45人に上り、うち5人は重傷。加害者は中共当局に関わりがあるため、警察当局は事件の調査に至って消極的である。事件当時、区内の警察官は「雲隠れ」をし、緊急通報の電話も受信されなかった。事件が発生してから一年が過ぎた現在、暴動の参加や傷害罪の共謀などの罪名で起訴された襲撃者はたった7人。当時警察官が「雲隠れ」した原因は今もなお明らかにされないまま、警察当局への信頼が雲散霧消し、警察と市民の対立だけが高まっている。

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