2020.02.04 感染拡大防止のため 医療従事者がストライキを発起

所謂武漢肺炎の新型コロナウイルス拡散の勢いに衰えが見えていない最中、香港政府があくまでも発生源である中国との辺境の閉鎖など、水際対策を打ち出さない姿勢を見せた。

医療体制の過負荷を危惧した公立病院の医療従事者が数度にわたり、公立病院統括機関医院管理局のトップと会談を繰り返したが、医療従事者を代表する労働組合「医管局員工陣線」が今夜、当局側との会談が破裂したことに踏まえ、第二段階のストライキが翌2月4日から始まると発表した。

会談後、医院管理局のトップが記者会見で、職務に復帰するよう、医療従事者に「心変わり」を訴えかけた。また、医院管理局によれば、少なくとも2700人以上の医療従事者が第一段階のストライキに参加したため、新生児集中治療室(NICU)、隔離病室などが人手不足が陥った他、一部の手術も延期を余儀なくされたとのこと。

ストライキの起因

所謂武漢肺炎の新型コロナウイルス大流行の中、疫病の発生源である中国と国境を接する香港では、国境検問所が開かれるまま、中国内陸部からの入境者が絶え間なく香港に押し寄せた。香港における新型コロナウイルスの確定感染者は日に日に増加し、その大部分が中国からの輸入症例だった。

2020年1月26日、医管局員工陣線は次の「五大要求」を求めた。医院管理局が要求に応じない場合、2月3日にストライキを発起すると宣言した:

1. 観光客の中国経由での香港入境禁止
2. サージカルマスクの安定供給確保のための確実な方策の実施
3. 十分な隔離病室数の確保と非緊急医療サービスの一時中止
4. 隔離病室勤務の医療従事者に十分な安全器材と個人用防護具の提供
5. ストライキ参加者に報復措置を採らないことの公約

医院管理局の范鴻齢主席は2020年2月1日、医療従事者の責務が緊急危険時の人命救助にあると強調、医療従事者に道徳的な判断を呼びかけ、労組にストライキ計画の中止を求めた。衛生局の陳肇始局長はラジオのトークショーに涙を流しながら情に訴えたが、労組の要求には頑なに応じなかった。同日、医管局員工陣線が特別大会を開き、ストライキ計画の議決投票を行った結果、贊成3123、反對10、棄権23と無効票8で可決、ストライキをすることに。

 

ストライキの経過

医管局員工陣線によると、午前2時間にわたるストライキと請願活動において、4000通以上の署名入り嘆願書を集めた。医管局側の代表者が嘆願書を全て受け取った。ストライキに参加した医療従事者が今日の午後、7つの基幹病院に集まり参加登録をした。午後2時頃、百人以上の看護師や医者などが九龍南部の伊利沙伯医院(クイーン・エリサベス・ホスピタル)の正門前に並び、参加登録の順番待ちをした。一部の医療従事者が白色のリボンを身に着けた。新界南西部の瑪嘉烈医院(プリンセス・マーガレット・ホスピタル)の向こう側の荔景山路にも、200人以上の医療従事者が列に並んでいた。医管局員工陣線の発表によれば、午後5時まで、ストライキに参加した医療従事者の数が6000人を超えた。

午後、伊利沙伯医院、瑪嘉烈医院と新界東部の威爾斯親王医院(プリンス・オブ・ウェールズ・ホスピタル)など、香港各地の病院では、正門前に隊列が長々と続いた。ストライキに参加した看護師らが「医療従事者がストを決起す。香港国境の全面閉鎖を」、「国境の全面閉鎖で香港を救え」などのプラカードを手で掲げ、襟前に白色のリボンをつけた医療従事者も数多い。

その中、瑪嘉烈医院にて、ストライキ登録の順番を待つために、一時400人ほどの人が並んだが、高齢者男性が一人、行列ができた荔景山路に姿を現し、医療従事者支持のプラカードを掲げ、「医療従事者を支持する」と叫び上げた。現場の看護師らも「ありがとう!」と叫んだ。その男性が坂道を往復し、英語で「Five demands(五大要求)」と叫ぶと、医療従事者は「Not one less(一つも欠けてはならない)」と呼応した。

男性は自分が已に70歳になったのを理由に、インタビューに応じなかった。記者に対し、「私にインタビューしないで!医者たちを支持しに来ただけだ!わしたちは『777(注:行政長官林鄭月娥のことを指す。当選時の得票数に因んだ二つ名である)』と死物狂いに闘うぞ!」と心境を述べた。

ストライキ参加者は医管局庁舎ビルに請願集会を行い、まずは労組の代表者から、その後はストライキ参加者一人一通ずつ、医管局側の代表者に嘆願書を提出した形で抗議活動を行った。

医管局員工陣線の余慧明主席によると、今日総数9000人の医管局職員がストライキに参加したという。余慧明は、医管局の高拔陞・最高経営責任者が昨日労組側の要求に答えもしなかったことを非難し、医管局に労組側と肩を並べ、香港と中国の国境封鎖するよう一緒に政府に圧力をかけてほしいと話した。

また、労組側は、五大要求は医管局だけで解決できる事柄ではないため、林鄭月娥行政長官と労組側の公開談判を呼びかけた。余慧明は、疫病発生源である中国からの輸入症例を水際に防げない場合、仮に病床数と人手を増やしても対処しきれないとの見解を述べ、政府に会談の参加を促した。

所属病院にストライキの参加を予め通知した公立病院職員ら宛に、医管局各地区のネットワーク(医院聯網)が電子メールを送り、医管局側が何人も勤務時間中にストライキを参加してはならない旨を「通知」したとともに、速やかな職務復帰を「粛々と促し」た。

余慧明はその電子メールを受信したことを明かし、ストライキ参加者のほとんども受け取ったと考えている。余慧明は、高拔陞と会談した際に、医管局側に報復しないよう求めたのに対し、高拔陞はトップの決定事項ではないと明言を避けた。余慧明はその電子メールが医管局トップからか、それとも各地区ネットワークからのメッセージか確認する必要があると述べ、その対応について弁護士と相談するという。

その電子メール内容について質問されるところ、医管局は、それが同僚に対し、ストライキに参加する際に注意事項を思い出させるために送信されたものだと述べた。

 

参考情報(繁体字中国語):

立場新聞 – 醫管局稱約 4400 醫護罷工 包括 360 醫生 2500 護士 強調和員工睇法一致

蘋果日報 – 【醫護罷工】行動升級第二日醫護站起來 醫管局:近5,000人缺勤逾半為護士