香港警察、集合制限令違反名目で取材妨害 学生記者を拘束

2020年5月10日、「一緒に歌を歌おう」との抗議活動の呼びかけに応じ、香港市民は各地のショッピングモールで集まり、「五大要求、一つも欠けてはならない」などのシュプレヒコールを叫んだりした。それに対し、武装警察はペッパースプレーなどで市民を強制排除。

新界東部・沙田のニュータウンプラザでは、警察隊がショッピングモールに突入した。警察官はモール内の市民を蹴散らし、感染症拡大防止のための「集合制限令」違反の名目で定額罰金通知書を発行した他、オレンジ色のテープでモールの一部を封鎖した。

ケーブルテレビ局有線電視の報道によると、同放送局所属の記者は警察の警告を受けた10秒ほどの後に規制線から後ろに下がったが、荃湾区議会議員岑敖暉を含め、計7人その場の警察隊にオレンジ色のテープで囲まれた。事件当時、記者が識別用の黄色い蛍光ベストを着用していたにもかかわらず、警察に解放してもらえず、身分証明書と取材パスの個人情報を控えられた。

その間、青色制服を着た下級警察官が一時記者に対し、集合制限令違反の疑いを告げたが、後に『警察隊条例』に基づき秩序や特定の行為について警告するとした、記者の取材活動が「集合制限令」の対象外とされたため、記者は警察の取り締まりの理由について問い質した。

白色制服を着た行動コード「EU NTS Coy SSGT」の警官は記者がすぐに立ち去る様子は見られず、記者が立ち去るまでにかかった時間を計算するつもりはないなど、意味不明な言葉を吐き捨てた後、さらなる説明をせずに現場を離れた。

他方、警察が同夜、旺角辺りに市民を排除した際に、至近距離でペッパー・スプレイを噴射したなど、記者の取材活動を妨害した他、香港理工大学キャンパスラジオの学生記者を一人拘束した。当時、その学生記者が取材パスを目立つ場所にぶら下げた上、記者であることを明らかにしたにもかかわらず、警察に理由なく11日早朝まで身元拘束された。その学生記者が現在保釈され、起訴されていなかった。

 

 

『基本法』第27条:
香港居民は、言論、報道、出版の自由、結社、集会、行進、デモの自由、労働組合の結成と加入、ストライキの権利と自由を有する。

 

『基本法』第28条:
香港居民の人身の自由は侵すことができないものとする。香港居民は、恣意的または不法な逮捕、拘留、投獄の対象となってはならない。

 

『警察一般命令』第39章第39-05条:
事件現場に居る警察は以下のことをしなければならない:
(a) 相互理解と協調の精神に基づき、可能な限り報道機関に協力すること。
(b) 報道機関の取材活動に支障がきたすことを避けること。

 

香港警察『武力使用手順便覧』第39-04条:
警察官が注意しなければならないのは、例え撮影取材の対象は警察の管理下に行われた行動であっても、記者が公共の場所または公共の場所を視認できる範囲において映像もしくは撮影取材する権利を有すること。特に、撮影記者及びテレビ放送局の取材クルーに対し、可能な限り最高の場所で撮影することを許可すべきであり、警察官はできる限り記者に対し、一般市民と同じように、公共の場所への出入りに制限を設けるべきではない。しかし、警察官が記者の言論と報道に責任を負う必要がない。それについては、各々の報道機関の判断に任せるべきである。

(2)警察行動のために、記者に対し、被疑者、被害者または証人の撮影を制限する必要がある場合においては、他の手段を用いてその身元情報を秘匿すべきである。

(中略)

(4)警察行動のために、一時的に規制線を張る必要がある場合、事件担当者は可能な限り、認定された記者のために取材エリアを指定することを検討すべきである。それによりメディアがより積極的に報道するようになり、それとの摩擦を減らすことができるようになる。場所の制限及び・または行動の優先順位の理由で、すべての記者の現場での立ち会いを許容できない場合、事件担当者はその一部が代表として現場で立ち会い、撮影・報道する許可を検討してもよい。これは報道業界間で合意された集団的な協定であり、それにより各報道機関のカメラマンや取材クルーが代わる代わる事件現場に入り、記者全員のために取材をし、撮影した映像や画像を同業者の間に共有することを可能にする。

 

関連事件:5月10日香港各地「一緒に歌をうたおう」抗議集会

有線新聞(報道)

理大校園電台(報導)